アルルベルの異邦人とは?

■主人公選択式
■ほのぼの王宮恋愛アドベンチャー
■ファンタジーあり
■エロスあり



 父さんの仕事の都合で妹と一緒にアルルベル王国へやってきた。アルルベル王国には興味深いことも多い。アルルベルにある王立ミューリア大学に編入して、歴史を学ぶことに決めた。
 この国で興味を惹かれたものが二つある。まず一つは、英雄の伝説だ。フレーンという女の英雄がこの国ではすごく人気があって、今でも彼女を讃える祭典があったり、 ファンが大勢いるらしい。ただ、英雄の伝説にはどうやら何か裏がありそうなんだけど。
 もう一つは、妖精の伝説。この国には妖精が棲んでいるという言い伝えがあるんだ。今でも大の大人が皆信じているんだ。皆真剣に妖精はいるって言うから、そう言われると本当にいるのかな?って思ってしまう。
 この国のお姫様は童話のお姫様のようだし、王子は優しく真面目で文句の付けどころがない。童話のようなこの世界で、僕等も童話の主人公のように楽しく平和に暮らしていくんだと思ってた。
 ……あの子がこの家に飛び込んで来るまではね。



 始まりはいつもの事。パパの転勤が決まった。今度はどこに行くんだろうと思った。すると、そこは辺境の中の辺境、アルルベル王国。驚いたわ。
 行ってみたら、もっと驚いた。そこは車もない、携帯もネットもない、まるで中世にタイムスリップしたような世界だった。道を行く人は歴史の本に出てくるような古めかしい恰好をしているし。新しいものは何一つない。
 所でアルルベルには王室があって、私と同じ高校に通うお姫様がいるんだけど、偉そうで全く好きになれないの。可愛い顔して純朴そうにしてるけど、したたかで我儘なのよ。
 王位継承者の王子はなんだか幸薄そうだし。でも悪い人じゃないわ。とてもいい人なのよ。本当に、想像を超えるくらい、彼は"王子"様なの。それがどういう意味かは……きっとそのうち分かるわ。
 突然家へやって来たあの子、あんまり子供らしくなくて可愛げがない子なのに、今ではすっかり家族の一員みたいな感じがするわ。変わった子だけど、何だか不思議と、良く理解できるの……。



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